こんにちは!インクイット営業担当のUGです。
お客様から「インクジェットの色調整できますか?」とお問い合わせをいただくことがあります。
この記事ではインクジェットで可能な色調整とおすすめの進め方を解説させていただきます。
短納期でも色味には妥協したくない方、失敗したくない方は必見です!
結論、インクジェットで色調整は可能です!
いきなり結論ですが、色調整は可能です。
ただしオフセット印刷と違いがありますので、その主な違いを説明させていただきます。
【そもそも】色調整とは?色校正とは?
インクジェット印刷でいう「色調整」とは、データの色味を見本に近づけるために、CMYK値や印刷条件を調整する作業のことです。
よく似た言葉で「色校正」という言葉もあります。
「色校正」とは、実際の本番と同じ条件(プリンタ・インク・紙など)で試し刷りを行って仕上がりの色を確認する作業を指します。印刷会社によってはその後の色調整の工程まで含めて色校正と呼ぶ場合もあります。
「色が合っているか」を確認してから本番に進められるので、納品後の「イメージと違う」を防ぐ大事なステップです。
【こんな記事もおすすめ】特色とCMYKの違いを解説!インクジェットで使える?
オフセット印刷とインクジェット印刷の色調整の違い

イメージとしてはオフセット印刷は職人技で調整が可能、
インクジェット印刷はデジタルデータでのみ調整という感じになります。
オフセット印刷の色調整
- 版ごとにインキ量を物理的に調整
- 印刷機オペレーターによる微調整が可能
- 印刷中に見本を取りながらリアルタイムで調整できる
- DICやPANTONEなどの特色を使用できる
インクジェット印刷の色調整
- illustratorやPhotoshopを使いデータ自体のCMYK値を変える
- RIPソフトによる色変換とインク吐出の制御で調整
- DICやPANTONEなどの特色が使用できずCMYKの4色で表現
見本にぴったり合わせることができるのか?

「既存のパンフレットや指定色に合わせたい」というお問い合わせもあります。
その回答としましては
「ぴったり合わせることは不可能ですが、色や仕様によっては近づけることは可能です。」
とさせていただいています。
ぴったり合うことはありません、と言い切らせていただいています。
これはお客様の為にそうさせていただいています。
色が合うと思って注文をいただいて、納品物がイメージと違ったらお客様をがっかりさせてしまうからです。
ただ、お客様のご要望を出来る限り実現したいので、近づける方法もご提案させていただいています。
私も印刷業界で働く前は、色はぴったり合うものと思っていました。
しかし実際は見本とはインクも違いますし紙も違います。
基本的には白い紙に印刷を行いますが、白い紙といっても色々あります。
「白って200色あんねん」という有名なセリフもあるくらいです。
同じ色のインクでも違う白い紙に印刷すると違う色になります。
さらに太陽光の下で見るか、室内の蛍光灯で見るか、その蛍光灯の色によっても見える色が違うんです。
「んーそんな細かいことは気にしないよ!」というお声も聞こえてきそうです。
たしかに「青」を白い紙に印刷して「赤」にはなりません。
「青」が「ちょっとだけ明るい青」なる可能性はあります。
しかし、どの程度の精度が必要か許容範囲はどうなのか、それは発注者様にしか分かりませんし、発注者様も実物を見ないと判断もできないと思います。
では、どうしたらいいのか・・・・
インクジェットで色を合わせたい場合のおすすめの方法とは

おすすめの方法としては、一回データナリで印刷(色校正)してみる方法です!
本制作と同じプリンタ・インク・メディア(紙)で印刷してみるのです。
これが出来るのがインクジェット印刷のメリットでもあります。
オフセット印刷ではこうはいきません。
オフセット印刷で色校正を行うには、専用の版を作成し、実際の印刷機で試し刷りを行う必要があるため、
本紙で印刷するにはかなり費用と時間がかかってしまいます。
作業手順としては、データナリで印刷したものと見本を見比べます。
その差を確認してデータのCMYK値を変えていきます。
そして再度出力して見本と見比べその作業を繰り返して近づけていきます。
先に述べたように、ぴったり合うことはありませんから終わりのない作業です。
オペレーターさん大変ですよね・・・どこまでやるか、どこでOKとするか、時間と費用との兼ね合いもでてきます。
実際の案件で一番人気の調整方法とは!

上記のエンドレス作業が始まると、いくら時間や予算があっても足らず青天井となってしまいます。
印刷会社から高い作業費用の請求があっても困ります。
そこで実際にインクジェット印刷で一番人気の調整方法とポイントをご紹介させていただきます。
納期や費用が一番かからず発注者様が色を見て決めることが出来るのでイメージと違うということが起きません。
- 発注者様にて色のパターンを作って入稿する
ベタ色であればカラーチャートのようなデータを作っていただき、画像であれば明るい・中間・暗い・彩度UPなど数パターンを入稿する。 - 本番と同じ仕様で発注をする
これは必須です。校正と本番で違う仕様で作ってしまうと校正の意味がなくなってしまいます。 - 本制作の数量を伝える
印刷会社によっては数量で印刷モードを変える場合があります。予定数量も前もって伝えましょう。 - サイズを指定する
看板など大型のものは原寸で作るとそれなりに費用も納期もかかってきてしまいます。縮小サイズで印刷するのか、部分原寸で印刷するのか、予算や納期を鑑みて決定しましょう。 - 届いた校正の確認方法
実際に使用する環境で確認するのが一番です。屋外で使うものであれば屋外の太陽光の下で。お店で使うのであればお店で確認しましょう。意外に見え方が違います。
色合わせの依頼で気を付けたいこと

納品物が思っていた色と違うという結果は、発注者様・印刷会社ともに避けないといけません。
それを防ぐには印刷会社としっかり打合せをして最善の方法を提案してもらいましょう。
NGな依頼方法は見本だけ印刷会社に送って「色を見本に合わせていい感じに」というような指示を出すことです。
先に述べたように色はぴったり合いませんし、印刷会社では判断が出来ません。
トラブルにならないように気を付けましょう。
ただし例外もあります。
お取引が長い印刷会社の場合は「お任せで良い感じ」という指示が伝わる場合があります。
何回も一緒に仕事をしていく中でお互いの判断基準が分かってくるので、お任せで良いものが上がってくるようになります。
まるで夫婦のようですね!
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インクイットでは
インクイットでは色合わせに柔軟に対応させていただきます。
案件によってどのように進めるのが良いのか違ってきますので、先ずはお気軽にご相談ください。
最善の方法を提案させていただきます。
又は上記の「実際の案件で一番人気の調整方法とは!」で進めていただく場合は、校正の注文を入れていただいて問題ございません。
その際は本制作と同じ仕様で、ご指定のサイズでご注文ください。
備考欄に本制作のサイズ・数量・納期など分かる範囲の情報も入れていただくようお願いいたします。
ご注文内容を見て不明点があれば私たちからもご連絡させていただき、内容の確認をさせていただきますのでご安心ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
「こんな調整はできるの?」「この素材でも大丈夫?」など、少しでも気になることがあればお気軽にご相談ください。
目的やご希望に合わせて、最適な進め方をご提案させていただきます。
インクイットでは、初めての方でも安心してご注文いただけるよう丁寧にサポートいたします!
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