こんにちは!インクイットブログ担当です。
今回はAdobe® Illustrator®でのラスタライズについての説明になります。
ラスタライズとは? その前にベクターデータとラスターデータについて
一言でいえばラスタライズとはベクターデータをラスターデータに変換することです。ここでラスターデータとベクターデータについて簡単に説明しておきます。ベクターデータは点と線の情報を持ったものになります。イラストレーターのペンツールや矩形ツールなどで作成されていて、ロゴや比較的簡略化されたイラストなどで使われていることが多く、ピクセルではなく点と線を数値化して表現しています。一方、画像や写真はピクセルの集合体によって表現されているラスターデータになります。実は普段スマホやPCで見ている画像のほとんどははラスターデータです。
ラスタライズ化の効果とメリット
ではなぜラスタライズを行うのでしょうか?ラスタライズすることでビットマップ画像(ピクセルの集合体)になるわけですから、そのことが適している場合に行うことでメリットが出てきます。下記に箇条書きすると
- 印刷トラブルの回避
- データ処理が軽くなる
- 場合によっては編集がしやすくなる
概ねこのようなメリットが考えられます。ただしラスタライズ化する時の解像度には注意してください。
画像データの解像度については↓の記事でもご紹介しています!
メリット1:印刷トラブルの回避
ラスタライズすることでイラストレーターでの複雑な効果が画像化されて、プリント時にエラーやバグが起きにくくなります。特にぼかしや透明効果、グラデーションなどはラスタライズ処理をプリント時に使うRIPソフトに依存すると思ったように処理されないことが起こる可能性があるので、先にイラストレーターで画像にしてしまうことで回避できます。
メリット2:データ処理が軽くなる
これはPCのスペックにもよりますが、やはり複雑なベクターデータですと作業中に変更を加えるごとにデータ処理が発生するのでイラストレーターの動きが悪くなる場合もあります。近年は特に多種多様な効果が出来るようになっており、様々な表現方法が手軽に行えますが実際のデータ処理も膨大になっているので適宜ラスタライズを行うと作業がスムースになる場合があります。
メリット3:場合によっては編集がしやすくなる
これはイラストレーターから離れてしまいますが、画像にすることで画像編集ソフトでの編集が可能になり作業が簡単になることがあります。ブラシツールや消しゴムツールを使い慣れている方であれば効果があると思います。
【注意】デメリットもあります
ではどのようなデメリットがあるかというと、ベクターデータをラスターデータに変換してしまうと元には戻せなくなってしまうことです。いわゆる不可逆処理になります。再編集が利かないので、ラスタライズを行う前にはバックアップデータを保存しておくことが重要です。
いかがでしたか?一番のメリットはやはり印刷トラブルの回避だと思います。インクイットでも入稿データのチェックでは解らないエラーがプリントした時に発覚することがあります。そういう時にはラスタライズで回避できる場合もあるので、上手に活用してみてはいかがでしょうか?
※ Adobe® Illustrator® は、米国および米国における Adobe の登録商標または商標です。