こんにちは。インクイットブログ担当です。
【UV印刷】【UVインクジェットプリント】というワードを聞いたことはありますか?
最近よく聞くけれど、実際どんな印刷方法なのか、まだ知らないという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、【インクジェット業界におけるUV印刷】の仕組みからメリット・デメリット、活用事例までを解説します!
UV印刷(UVインクジェットプリント)とは?
UV印刷の基本的な仕組み
UV印刷の”UV”とは、紫外線(Ultra Violet ray)のことです。
UV印刷とは、UVインクという紫外線で硬化する特殊なインクを用いた印刷方法です。
UVインクジェットプリンターには、紫外線を照射するUVライトが搭載されています。

UVインクジェットプリンターは、メディア(印刷する素材)にUVインクが着弾した際、瞬時に紫外線(UVライト)を照射します。
紫外線を照射されたインクは、すぐに硬化し、メディアの表面に定着します。
UV印刷のプリンターの種類
UV印刷(UVインクジェットプリント)ができるプリンターには、大きく2つに分けて、
ロール式とフラットベッド式のものがあります。
ロール式のプリンターは、看板や横断幕、ポスターなどの”ロール状に巻ける成果物”をプリントします。
ターポリン素材や、ロール状のPET素材、ウィンドウフィルムなどの素材に対応しています。
フラットベッド式のプリンターは、ベッドのような平らな台にメディアを設置してプリントします。
主に、パネルやボード材、ノベルティグッズなどの”ロール状に巻けない成果物”をプリントします。
アクリルや段ボール、リボード、などの素材に対応しています。
UV印刷と他の印刷方式の違い
UV印刷(UVインクジェットプリント)は、紫外線(UV)を使ってインクを瞬時に硬化させるデジタル印刷方式です。版(プレート)を必要とせず、デザインデータをそのまま印刷できるのが特徴です。
オフセット印刷やシルク印刷との違い
オフセット印刷やシルク印刷では、デザインごとに専用の「版(はん)」が必要です。
この「版」とは、インクを素材に転写するための型で、主に大量印刷に適していますが、版の作成にはコストと時間がかかるというデメリットがあります。
一方、UV印刷は版が不要なため、工程が少なく、納期が短縮できるという利点があります。少部数の印刷や短納期の案件にも向いています。
一般的なインクジェットプリントとの違い
UV印刷は、インクジェットプリントの一種ですが、次のような違いがあります。
1. 乾燥時間が不要でスピーディー
通常のインクジェットプリントは、印刷後にインクを乾かす時間が必要です。乾燥が不十分だと、インクやラミネートに不具合が出るリスクが高まります。
UV印刷はインクをその場で硬化させるため、乾燥時間が不要。その分、短時間で大量の印刷が可能です。
【ざっくり解説】そもそもインクジェットプリントとは?メリット・デメリットも紹介
2. 多様な素材に印刷できる



一般的なインクジェットは、紙や塩ビタックなどのロール状の素材が中心です。
一方、UV印刷は、ターポリンのようなロール素材に加え、スチレンボードや段ボールなどの板状素材にも直接印刷が可能です。これにより、ディスプレイやパネルなど立体的な販促物の制作にも対応できます。
UVインクジェットと一般的なインクジェットの工程の違い(パネル制作の例)

UV印刷なら工程が少なくなり、時間もコストも削減できます。
UV印刷のメリット
- 即時乾燥で短納期対応が可能
UV印刷(UVインクジェットプリント)は、UVライトの照射と同時にインクが定着するので、インクの乾燥を待つ必要がなく、短納期に対応が可能です。 - 製版や加工の工程が短縮でき、時間・コストカットにつながる
一般的なオフセット印刷やシルク印刷と異なり、版を作成する必要がないため、その分コスト・制作時間をカットすることができます。 - ボード素材に印刷可能で、表現の幅が広がる
一般的なオフセット印刷やインクジェットプリンターは紙などのメディアに対応したものが多いです。それに対してUV印刷の場合は、ボード素材など幅広いメディアに印刷が可能です。印刷できる素材の種類が多い分、表現の幅も広がります。 - 溶剤を使わないので人体や環境にやさしい
UV印刷のインクは一般的に、印刷時にVOC(揮発性有機化合物)がほとんど発生しないため、人体や環境にやさしい特徴があります。一般的な溶剤インクと比べてにおいも少ないです。 - 耐久性がある
UV印刷のインクは、UVライトの照射によりインクが定着するので直射日光などによる劣化が起きにくい特徴があります。 - 白インクでの印刷も可能
UVインクジェットプリンターの多くは、白インクでの印刷も可能です。
白色単体のプリントができるだけでなく、白インクとカラーインクを重ねて発色を良くすることもできます。
UV印刷のデメリット
- プリンターによって印刷できるサイズや素材に制限がある
UVプリンターと一口に言っても、様々な機種があります。
例えば、パネルやリボードなどの大判印刷の短納期・大量生産に適したプリンターや、耐擦過性が高く小型のノベルティなどの印刷に適したプリンター、ロール式のターポリンやPETに対応したプリンター等です。
プリンターによって、印刷可能なメディアの素材・サイズ・形状、インクの性質が異なります。
希望の素材や仕上がりサイズに対応が可能か、事前に確認しておくことが重要です。
必要に応じて、テストプリントを行うこともあります。 - インクの厚み、粒状感が出るため、風合いの好みが分かれることも
UVインクは、素材にしみこまずに表面に定着します。
そのためインクの乗ったところは少し厚みが出ます。
また、近くで見ると、仕上がりに少し粒状感が感じられます。
至近距離に近づいたり、手に取って見るような印刷物の場合は事前にサンプルなどで風合いを確認しておくと安心です。
↓印刷面の拡大図 - 折り曲げでインクが割れるリスクがある
UVインクは、素材にしみこまずに表面に定着するため、印刷面を折り曲げると、折った部分のインクが割れてしまうリスクがあります。
そのため、折り曲げる仕様は避ける・デザインの工夫・印刷後にUV印刷専用のラミネート加工を追加する
などの対策が必要となります。
UV印刷の活用事例
展示会ブースのパネル


生産性の高いUV印刷は、展示会やイベントなどに必要な大量のパネルに最適。
展示会ブースで使用する、壁面装飾や社名板、説明パネルなどに活躍します。
店舗などのディスプレイ什器



リボードなどの資材にUV印刷して組み立てるディスプレイ。
ボード資材に直接印刷できるUV印刷は、商品什器等のディスプレイにも適しています。
インクイットで販売しているリボードディスプレイも、UV印刷を活用して制作しています!
アイキャッチ用の販促POP


アクリルやパネル・ボードに直接印刷できるUV印刷は、販売促進用のPOPにも活用されています。
等身大パネル、天吊りパネル


キャラクターやスポーツ選手の等身大パネル、店舗の天井からつるす天吊りパネルなどもUV印刷で対応が可能です。
多品種であってもスピーディーに大量生産できるため、全国展開の店舗で使用するようなシーンにもおすすめです。
インクイットでラインナップしているパネル商品は、水性インクジェットプリントした用紙を貼り合わせた仕様となります。大量生産などでUV印刷を検討されている場合は別途お見積りいたしますので、お問合せください。
ノベルティグッズ


アクリルスタンド(アクスタ)・アクリルキーホルダー(アクキー)・スマホグッズ・ミラーやポーチなどの小物類にもUV印刷は活用されています。
タペストリー・横断幕


ロール式のUVインクジェットプリンターでターポリンなどの素材にプリントし、タペストリーや横断幕を制作することができます。
大量生産やお急ぎの場合にも最適です。
インクイットのタペストリー・横断幕もUV印刷で制作をしています!
どんな人・企業にUV印刷はおすすめ?

- 短納期が求められるプロジェクト
スピーディな対応が求められるプロジェクトには、工程を省き、短納期で対応が可能なUV印刷が最適です。 - 小ロットでの多品種対応をしたい販促担当者
版を作る工程がいらないUV印刷は、多品種小ロットでの生産でもコストを抑えて対応することができます。 - 環境に配慮した印刷物を求めるブランド
一般的にVOC(揮発性有機化合物)がほとんど発生しないUV印刷は、溶剤インクなどと比較して環境に配慮した印刷方法と言えます。 - 特殊素材や透明素材への印刷を検討している
アクリルや木板などの特殊な素材・透明な素材への印刷にはUV印刷がおすすめです。
まとめ|UV印刷は「早い・キレイ・いろんな素材OK」が魅力!
UV印刷は、乾燥時間なしでスピーディーに印刷できて、版も不要。
紙だけでなく、アクリルやボード、ターポリンなどいろんな素材に直接プリントできるのが大きな強みです。
短納期・小ロット・多品種対応にもぴったりなので、展示会や販促物づくりに大活躍!
環境にやさしいのもうれしいポイントです。
とても便利なUV印刷、ぜひ今後の販売促進企画にお役立ていただければと思います!
「こんな案件でもできる?」「こんな素材にプリントできる?」「まずは印刷サンプルを見てみたい」
などのご相談も、お気軽にお問合せください!
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