こんにちは。インクイットブログ担当です。
画像データを画面用のRGBから印刷用のCMYKに変換すると、鮮やかな南の海や、晴れた空、花のピンク色、フォントを装飾した蛍光色などが、一気にくすんでしまうことがあります。このような、CMYK変換したときの色味が変わる違和感を軽減したい!ということはないでしょうか?
今回は写真のデータをプリントする時の色味の変化をなるべく抑えるための簡単なテクニックをご紹介します。
RGBカラーとCMYKカラーの違い
過去のブログでも何度かご紹介してますが、RGBカラーで作られたデータ(画像)をCMYKカラーに変換すると色味がくすむことがままあります。
過去のブログでもどんなふうに色味が変わるかご紹介しています↓
そもそもなぜ色合いが変わってしまうのか?
RGBのカラーモードと、CMYKのカラーモードでは、表現できる色の範囲(カラーガモット、色域とも言います)が異なります。
モニタに表示されているRGBのカラーガモットより、印刷で表現するCMYKのカラーガモットの方が範囲が狭いので、表現できない色が出てくるのです。
表現できないRGBの色はCMYKのカラーガモットの中でなるべく近しい色に変換されるのですが、その時に全体のバランスをとるのか色同士の距離感が変わらない比率になるように変換するのかなど、細かいことを言えば様々な条件を与えて色の置き換えが行われる仕組みをがあります。その仕組みを利用して目的に合った色変換を行えば、RGBカラーで表現されていたものをCMYKカラーに変更した時の違和感を低減する事が可能になってきます。
AdobePhotoshopでの変換方法
では実際どのような作業をすれば色の変化を抑えられるのでしょうか?
カラーモードの変換を行うときに、ひと工夫をすることで少しくすみを抑えることが出来ます。
それにはAdobePhotoshopを使用します。皆さんも名前くらいは聞いたことがある、もしくは使ったことがあると思いますが、画像を調整するハイスペックソフトです。なんだかプロ仕様で敬遠してしまう人もいるかもしれません。ですが、今回の使い方に関しては仕組みを理解するのは難しくても、やることはシンプルです!
大まかに言えば2ステップで完了です。
画像を開いたら、まずは「イメージ」→「モード」→「Lab カラー」でカラーモードをいったんLabカラーに変換します。
こうすることでRGBのカラーガモットからいきなりCMYKのカラーガモットへの変更ではなく、Labカラーへの変更を挟むことによって、デバイスに依存しない色表現形式になります。
次に
・「トーンカーブ」を使用して、画像が少しだけ明るくなるように調整
・「色相・彩度」で彩度を上げ、少し鮮やかになるように調整 してから、
カラーモードをCMYKに変換 します。
すると、色の変化の違和感は軽減します。
実際にやってみると・・・
こんな感じになります!
真ん中Lab経由の画像の方が、左のそのままCMYKに変換した画像よりくすみが軽減できています。
①、②の調整の具合で仕上がりが変わりますので、気になる方は細かく調整してみてください。
他の変換方法テクニック
Labカラーを間に挟む以外にも、色の変化を低減できる方法を紹介しておきます。
Photoshopの「編集」→「プロファイル変換」の変換オプションのマッチング方法を「知覚的」や「彩度」にしてみる方法です。この場合くすみの低減に効果が見込めます。ただし、画像全体のカラーバランスがイメージと違ってしまう場合があるので、元のRGBカラーの画像と変換後の画像を見比べて違和感がないことを確認しておくようにしましょう。
Photoshopが使えたらやっておいた方がいい
今までの話はPhotoshopの仕様を前提としています。もし、Photoshopを使えるのであれば確実にご自身でカラーを変換して確認することをお勧めします。写真のイメージが違うとデザイン全体のイメージも変わってきますので、トライしてみていただければと思います!
いかがでしたか。モニター(画面)とプリント物では色味が変化するので、完全に色の変化を予測するのは難しいですが、いったん設定をCMYKで行っておけばそこまで大きく食い違うリスクは避けられます。それにPhotoshopに対する造詣も少し深まるかもしれません。
インクイットではRGB画像のままの入稿の場合は基本的にPhotoshopでRGB→CMYK変換させて頂いております。RGB画像のままのプリントでは行っておりませんので、ご注意ください。色味の変化が心配・・・という場合は、事前にデータチェックをさせていただくことも可能ですので、ご相談いただければと思います!
#RGB #CMYK #カラーモード